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AWSとAzureの違いは?比較と選択のポイントを解説

Amazonが提供する「AWS」と、Microsoftが提供する「Azure」。どちらもクラウドサービスとして世界的に有名です。クラウド市場でのシェア率で見ると、以前はAWSが独走状態でしたが、ここ数年でAzureが急成長し、AWSに迫っています。シェア率の高さはサービスを選択する基準のひとつではありますが、自社が導入する目的や用途に合致する機能や特徴を備えていることも重要です。今回はAWSとAzureの概要や違いを比較しつつ、選択する際のおすすめポイントを見ていきましょう。

※2022年4月時点の情報です。

AWSとAzure、それぞれの特徴

AWSの主な特徴は、「多様な業種で利用できる豊富なサービスと運用実績」「トラブル時にも安心な巨大コミュニティ」「目的や用途に応じた柔軟な利用が可能」であることです。一方、Azure の主な特徴は、「特定の業種において特に高い親和性を持つ」「Microsoft製品との連携・移行がしやすい」「世界最大規模のグローバルネットワークによるサービスの提供」です。それぞれについて簡単に説明します。

AWSの特徴 多様な業種で利用できる豊富なサービスと運用経験

コンピューティング、ストレージ、データベースなどのインフラストラクチャテクノロジーから、機械学習、AI、データレイクと分析、IoT  の最新テクノロジーまで、どのような業種であっても活用可能なサービスを提供しています。また、クラウドサービスの先駆けとして長い歴史をもつため、豊富な運用経験にもとづく高い信頼性を獲得しています。

トラブル時にも安心な巨大コミュニティ

何百万といる顧客、何万といるパートナー企業とのコミュニティが形成され、活発に活動しています。万が一のトラブル時はもちろん、日々の運用の悩みや不明点なども気軽に相談でき、解決できる可能性が高いでしょう。

目的や用途に応じた柔軟な利用が可能

自社の目的や用途に応じて、使いたいシステムだけに課金することが可能なため、コストを抑えつつ無駄のない柔軟な運用が行えます。

※AWSのより詳しい特徴やメリットについては、「AWSへ移行するメリットとその手順を紹介」をご覧ください。

Azureの特徴 特定の業種において特に高い親和性を持つ

AWSと同様に多様な職種で利用できますが、医療、金融、政府、小売業、製造などの特定業種に対して特に高い親和性  を持っています。

Microsoft製品との連携・移行がしやすい

AzureはMicrosoft製品のため、Microsoftの既存サービスとの連携や移行がスムーズに進むのも大きな特徴です。ExcelやWord、SharePointなどとのデータ連携に適しています。

世界最大規模のグローバルネットワークによるサービスの提供

Microsoftでは、Azure以外にも、Bing、Dynamics365、Xboxなどのさまざまなサービスを安定して稼働させる、世界最大規模のグローバルネットワークを持っています。そのため、高い可用性と拡張性を実現します。

※Azureのより詳しい特徴やメリットについては、「Azureへ移行するメリットとは?注意点や移行手順を紹介」をご覧ください。

AWSとAzureの比較ポイント

AWSとAzure、それぞれを料金体系、機能(コンピューティング・ストレージ・データベース)、セキュリティの面から比較していきます。

料金体系の違い

AWS、Azureのどちらも、基本的には利用時間に応じた従量課金制です。金額は利用するサービスによって異なりますが、利用量に応じた金額となるため、無駄なコストが発生するリスクを抑えられます。定額制ではないためコストが読みにくいともいえますが、目的や用途を明確にすることで金額を推定しやすくなるでしょう。

ただし、決済手段としてAzureは日本円で料金設定と支払いが可能なのに対し、AWSは基本的にドルベースの料金設定です。 AWSの場合は為替の影響を受けやすくなるため、年間を通じた利用料金の見通しはAzureのほうが立てやすいといえるでしょう。

機能の違い

3つの機能について比較します。

コンピューティング

仮想マシン、サーバーレスサービス、アプリケーション基盤などはAWS、Azureどちらも性能に大きな違いはありません。コンテナについては、AWSはサーバーレスで運用するコンテナ基盤であることから、Azureに比べて迅速な開発が可能である、といった点に差異があります。

ストレージ

ストレージには、オブジェクト、ブロック、ファイルの主に3つの形式 があります。AWSのストレージの特徴は、暗号化が強固であることと、読み取りの遅延が短く迅速なことです。一方で、Azureのストレージには冗長性を保つオプションがあり、かりにリージョンの機能が停止した場合でも、データ喪失のリスクを抑えられます。

データベース

データベースには主に、「NoSQL」「NewSQL」などがあります。AWSの特徴は、対応するデータベース数の多さです。一方でAzureは、特にSQL Serverとの親和性が高く、連携や移行をスムーズに進めやすいです。

セキュリティの違い

Azureを提供しているMicrosoft社は、セキュリティ関連の研究開発に10億ドルを超える投資を行っており、それを強みとして公表しています。医療、金融、政府機関の利用が多いことからも、高度なセキュリティ対策が組まれていることがうかがえます。

これに対し、AWSは投資額自体のアナウンスはありませんが、セキュリティが最優先事項であることや、セキュリティに対する継続的な投資をするこことなどを方針として掲げています。つまり、Azure同様セキュリティ対策に力を注いでいるといえます。

どちらのサービスもセキュリティに対しては最優先事項として多くのコストを割いているため、業種や用途によって自社がどちらのセキュリティに合っているかを確認するとよいでしょう。

AWS、Azureそれぞれを選択する際のポイント

AWSとAzureはどちらも高いレベルのクラウドサービスといえます。自社のビジネスでAWS、Azureのどちらを選択するべきかで悩んだ場合は、「サービスの多さ」もしくは「サポートの内容 」のどちらを重視するかで決めるのがおすすめです。それぞれのポイントについて簡単に説明します。

サービスの多さで選択する

サービスの豊富さといった点で選択するのであれば、AWSに分があります。サービスが事業の用途を満たしているかを判断する際は、将来的な事業拡大も見据えて考えます。というのも、最初は少ないサービスだけですべての事業をカバーできたとしても、事業拡大によってサービスが不足する、といったケースがありえるからです。サービスが豊富なAWSであれば、別のクラウドサービスを使う必要を抑えられ、管理も楽になるでしょう。

ただし、Azureはサービスの数こそ少ないものの、Microsoft製品を多く使う場合は連携がしやすくなる利点があります。また、サードパーティとのサポートはAzureのほうが手厚く、既存サービスとの連携が可能であれば、無駄を出さずに利用が可能になるでしょう。

サポートの内容で選択する

利用者が多く公式のドキュメントが多いという点において、AWSに一日の長があります。大きなコミュニティがあるうえ、周囲にも利用者(企業)が多く、不具合時に解決方法を得やすいです。AzureはAWSほど利用者が多くないうえ、公式ドキュメントが英語のみの場合もあります。とはいえ、公式ドキュメントが英語のみで読めない場合は、電話サポートを受けることで解決する方法もあるため、それをもってサポートレベルが低いと判断することはできません。

サポートについては、公式ドキュメントに重きを置くかどうかでも評価が変わってきます。どちらが優れているのかを考えるのではなく、求めているサポート内容を明確にすることで、自社にとってより有効なサービスが見えてくるでしょう。

クラウドサービスの導入はベンダーの支援を活用するのがおすすめ

いまやクラウドサービスの活用があたりまえとなりつつありますが、自社に合ったサービスを選択することはけっして簡単ではありません。また、サービス選択後に、導入から運用までをスムーズに進めていくには、いくつものハードルがあります。

特にセキュリティに関しては、サービス提供側の対応が十分であっても、社内の対応が不十分だとさまざまなリスクが想定されるため、しっかりした管理が必須です。そのため、導入時に検討したいのが、ベンダー支援の活用です。AWSやAzureへの移行、運用支援を行っているベンダーをうまく活用すれば、スムーズな導入はもちろん、その後の運用やリスク管理に関するトラブルを未然に防げます。

株式会社インフォメーション・ディベロプメントでは、マルチクラウド導入やシステム移行、専門家による高度なセキュリティを実現する、「マルチクラウドサービスID-Cross」を提供しています。  またAWSに関しては、AWSの認定資格取得を目的とした研修環境の提供を行う「ID-CrossクラウドトレーニングAWS編」や、AWSの脆弱性を診断する「クラウド脆弱性診断サービス」があります。

総合的な観点から、パソコン更新管理やマルウェア対策、データ流出防止などのシステム管理を効率的に行いたい場合は、必要な機能を選んで実装できる「IT資産管理ソリューションAssetView」もおすすめです。クラウドサービス導入・運用を迷っている際は、ぜひご相談ください。

 

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